
脱毛のリスクとは?起こり得る肌トラブルや間違われやすい脱毛リスクについて解説

脱毛の施術を受けるとムダ毛の量が少なくなり、自己処理が非常に楽になります。しかし、脱毛にはリスクもあります。また脱毛とは異なる要因でトラブルが起きているにもかかわらず、脱毛の施術によるものだと勘違いしてしまうケースも少なくありません。
施術を行う側は肌トラブルが起こらないように細心の注意を払って対応をしているものの、避けるのが難しい肌トラブルもあります。万が一のときに適切な対処をするためにも、脱毛の施術を受けるときはリスクについてしっかり知っておくことが大切です。
本記事では、脱毛で起こり得るリスクや間違われやすい肌トラブルについて詳しく解説します。
脱毛では肌トラブルが起きるリスクがある
脱毛の施術では、レーザーや光を照射するときに熱エネルギーが生じるため、どうしても肌に負担がかかります。そのため脱毛の施術を受けると、肌トラブルが起きる可能性があるのです。熱は発毛組織へダメージを与える手段であり、肌に伝わる熱をゼロにするのは難しいため、肌トラブルを完全に予防することはできません。
中には、避けるのが困難な肌トラブルもあります。しかし肌トラブルが起こらないようにあらかじめ対策をすれば、リスクを軽減することも可能です。うまく対策をしながら脱毛の施術を受けていきましょう。対策については記事後半でご紹介します。
脱毛で起こる恐れのある肌トラブル
脱毛の施術を受けると、肌トラブルを起こす可能性があります。ここでは、具体的にどのような肌トラブルが起こるのか、5つの例を見ていきましょう。
赤み・ヒリヒリ感
施術の際に照射するレーザーや光はムダ毛に含まれているメラニン色素と反応し、熱エネルギーが生じます。この熱エネルギーが発毛組織にダメージを与えることで脱毛効果を得ることが可能です。
脱毛の施術にあたって熱エネルギーの存在は欠かせません。しかしこの熱エネルギーの影響で肌は軽いやけどを負った状態になり、施術後に赤みやヒリヒリ感が出ることがあります。これらの症状は一時的なもので、基本的に数時間から数日程度で治まることがほとんどです。
しかし、まれに症状が悪化してしまう場合があります。時間が経っても症状が落ち着かない場合は、念のため医師の診察を受けるようにしてください。
毛嚢炎(もうのうえん)
まれではありますが、脱毛の施術後に毛嚢炎になる場合があります。毛嚢炎とは、毛根を包んでいる毛嚢という箇所に炎症が起きた状態のことです。見た目がニキビと似ているため、ニキビやできものと間違えられることも珍しくありません。
毛嚢炎はレーザーや光を照射することで毛嚢や表皮に傷が付いて、細菌が傷口から入り込んでしまうことが原因です。
脱毛の施術後に赤みを帯びて膿をもったできものができた場合は、毛嚢炎の可能性があります。通常は約1~2週間で症状が改善していくため、過度な心配はいりません。しかし悪化すると強い痛みを伴ったり、発熱したりするケースもあるため、早めに適切な対処を行いましょう。
症状が軽いようであれば、皮膚を清潔に保っていれば徐々に改善します。抗生物質が含まれた塗り薬を使用しても構いません。赤みや炎症が強いときは皮膚科や施術を受けたクリニックへ相談しましょう。
やけど
レーザーや光を照射することで生じた熱エネルギーによって、やけどしてしまう恐れがあります。
クリニックやサロンなどでは、肌質や毛質に対して適切に出力を調整して施術を行ってくれるため、やけどのリスクはそこまで高くありません。しかし、脱毛を受ける箇所や肌の状態によってはやけどをしてしまうことがあります。特に日焼けをしている方はやけどしやすいので注意しましょう。日焼けをしているとレーザーや光がムダ毛だけでなく肌にも反応しやすくなるため、熱エネルギーの影響を受けやすくなります。脱毛が完了するまでは日焼けをしないように、UV対策をしっかりと行うようにしてください。
また肌が乾燥している方も、やけどのリスクが上がってしまいます。乾燥している肌はバリア機能が低下している傾向にあるので、刺激を受けやすいのです。脱毛期間中は日頃から念入りに保湿を行うようにしましょう。
この他、ムダ毛が密集している箇所は熱エネルギーが発生しやすいのでやけどしやすくなります。皮膚が薄い箇所も同様です。やけどをした場合は、早めに医師の診察を受けてください。適切な処置をしないまま放置しておくと、痕が残ることがあります。
色素沈着
色素沈着とは、メラニン色素によって肌の色が濃くなることです。脱毛の施術から1カ月程度は、日焼けや摩擦の影響によって一時的に色素沈着が起こることがあります。ターンオーバーが正常に行われていれば、次第にメラニン色素が排出されていくため皮膚に残ることはありません。
しかしなんらかの原因によってターンオーバーが乱れていると、メラニン色素がそのまま蓄積してしまう場合もあります。脱毛の施術から1カ月程度は、肌に刺激を与えないように注意しましょう。
増毛・硬毛化
増毛化は、脱毛の施術後に毛が生えていなかった毛穴から新たに毛が生え、ムダ毛の本数が増えてしまうことを指します。硬毛化は照射後に抜け落ちてから新たに生えてくるムダ毛が、硬くて太い状態に変化してしまうことです。二の腕や背中、顔のように産毛が多い箇所で増毛化や硬毛化が起きやすいといわれています。
増毛・硬毛化の原因については、まだはっきりとは分かっていません。現時点では、照射したレーザーや光が発毛組織までしっかりと届かず、十分なダメージを与えられずに毛根を活性化させてしまうことが原因だと考えられています。
脱毛の施術を一旦止めると症状が落ち着くケースがあるため、増毛化や硬毛化の症状が見られたらすぐにサロンやかかりつけの皮膚科医、クリニックの医師に相談しましょう。クリニックなどに見せる前に毛を剃ったり抜いたりすると、硬毛化しているかどうか分からなくなってしまいます。見た目が不快かもしれませんが、処理をせずに診察を受けるように気を付けてください。出力を上げて照射したり、脱毛機を変えたりして症状が改善する場合もあります。
医療脱毛と美容脱毛で起こり得る肌トラブルの違い

医療脱毛でも美容脱毛でも、照射によって肌トラブルが起こる可能性はゼロではありません。特に医療脱毛は医療行為であるため、高い出力で照射していく点が美容脱毛との大きな違いです。出力が高い分、熱エネルギーが生じやすく肌に負担がかかりやすくなります。
しかし医療脱毛は、医師や看護師しか施術を行えません。国家資格を保有している医療従事者が施術を担当するため、何かトラブルが起きてしまってもすぐに適切な対応をしてもらえます。美容脱毛で肌トラブルが起きた場合は、自分で医療機関を探して医師に状況を1から説明しなければなりません。
医療脱毛の方が高い出力で照射していくものの、医師や看護師がしっかりとアフターフォローしてくれるのは心強いポイントです。総合的に判断すると、肌トラブルのリスクをなるべく軽減したい方は医療脱毛を検討した方がよいでしょう。
なお美容脱毛は医療脱毛ほどの出力はなくても、メラニン色素以外に反応する波長が含まれていることがあるため、やけどになる恐れもあります。従って肌トラブルの症状に関しては、美容脱毛と大きな違いはないといわれています。
間違われやすい脱毛によるリスク
WebサイトやSNSなどを見ていると、脱毛に関するさまざまな情報が飛び交っています。脱毛を受けた方のリアルな声が聞けるので参考にしている方が多いかもしれません。
しかしWebサイトやSNSには、間違った情報も散乱しています。脱毛とは関係のない事柄があたかも関連性があるかのように書かれていることも珍しくありません。ここからは、脱毛に伴うリスクの正しい情報についてご紹介します。
脱毛によって直接的にシミが増えることはない
脱毛の施術を受けると、シミが増えるといわれることがあります。しかしこちらも根拠がまったくない噂話に過ぎません。シミが新たにできたと感じるのは、施術後に一時的にできる色素沈着である可能性があり、シミが増えているわけではありません。
ただし、脱毛の施術後は摩擦や紫外線によってシミができやすい状態になっているため、アフターケアを怠らないようにしましょう。
施術前後には適切なケアを行うことが大切

脱毛の施術によって起こり得るやけどや赤み、ヒリヒリ感などの肌トラブルのリスクを減らすためには、施術の前後にしっかりと適切な肌のケアを行うことが大切です。前述した通り、肌が乾燥しているとバリア機能が低下して肌トラブルが起こりやすくなるため、保湿を徹底して行うようにしてください。施術後だけでなく、脱毛が完了するまでは毎日保湿をしましょう。
日焼けをしないようにUV対策も必ず行いましょう。日焼けをするとレーザーや光が肌のメラニン色素に反応してやけどしやすくなります。また紫外線のダメージを受けて乾燥しやすくなるため、日焼けは厳禁です。
施術の前日には必ず自己処理を行うことも忘れないようにしてください。自己処理を怠ると、脱毛効果が出にくくなったりやけどを負ったりする可能性が高まります。施術直後の入浴や運動、飲酒なども避けましょう。体温が上がったり血行が良くなったりして赤みや湿疹が出る恐れがあります。
まとめ
脱毛の施術を受けると、肌トラブルが起きる可能性があります。具体的には、赤みやヒリヒリ感、やけど、毛嚢炎や色素沈着などです。脱毛の施術が原因でシミができたりするといわれることがありますが、こちらは誤った情報なので心配する必要はありません。
監修者コメント
脱毛の施術によるリスクについて、やけどや色素沈着などの他に、汗の量が増えやすくなるのを聞いたことがあるかもしれません。ただし、こちらも医学的根拠はありません。脱毛の施術を受けることで毛がなくなり、汗が流れる感覚が分かりやすくなって量が増えたように感じてしまうのです。
また脱毛によってワキガが悪化することもありません。副作用やリスクなどが気になる場合は、契約をする前にカウンセリングでよく確認しておきましょう。